貿易コンサルティング
南スーダン税関職員による関税評価一般研修
弊社が請け負っております「南スーダン国 国際基準に則した税関機能強化プロジェクト」の一環として、南スーダン税関の教官による南スーダンのニムレ(ウガンダに隣接する国境の町)に勤める税関職員向け、通関業者向けに関税評価研修を行いました。なお、日本の税関記念日に当たる11月28日には、今回講義した教官を対象とするブラシュアップ研修も行われました(注:国際税関記念日は1月26日)。
この研修は、直前に行なわれた原産地規則(ROO)の研修に引き続き、同じ研修施設で行われました。関税評価とROOの両方の研修を受講した人数は1~2人と少数でした。聞くところによるとニムレで通関業を営む会社は約200社あり、仮に20人の研修生を招いたとしても、20社に対して各1人、全体の10%しか研修に参加できないことになります。ですので複数回の研修が必要になります。
さて、関税評価のルールに基づく税額の計算自体は単純な足し算のことが多いのですが、誰が計算しても同じ金額にならないといけません。これまでこうした算定方法を取ってこなかった南スーダンの貿易習慣からすると、全く馴染みのない新しい制度です。国際スタンダードである関税評価の現実を、初めて耳にする税関職員や通関業者等の研修生には、ハードルが高いかなとハラハラ見守っている日本人専門家を横目に、南スーダンの成りたて教官たちは堂々と講義を行っています。
直前のROO研修と同様、講義を行った教官に対する研修生の評価も、教官による参加研修生の評価も共に高く、非常に満足する結果となりました。(K.K)
(写真左:「特殊な輸入貨物に係る課税価格の決定(Fall-Back Method)」の説明のようす。(注:「同種又は類似貨物の取引価格による課税価格の決定」は成分が異なるため、不適当。)
(写真右:履修証の授与のようす。左端は当社社員。)